7月9日
  坐骨神経痛を追加












































































■五十肩

・肩が痛くて腕が上がらない。

・夜寝ていると、肩が冷えて痛くて目が覚める。

・ズボンやスカートを履くときにシャツを中に入れようと腕を後ろに回そうとするが、腕が痛くて後ろに腕を回せない。

・職場が製造業なので冷蔵庫内の温度設定で仕事をしていて、肩が痛くてしょうがない。

等いろんな症状で来られる方がいらっしゃいます。皆さん1回の施術で

完治すれば良いのですが、改善の状況は皆様一人一人、全て違って

おります。

・1回の施術で大きく改善されて、生活での支障が無くなったが、芯は残っている方。

・その時は少し改善するがすぐ元に戻ってしまう方。

・4日〜5日の間隔で丁寧に施術し10回程度で改善した方。

全く同じ症状ではないのですが、ほぼ同じ症状なのにそれぞれ改善の

仕方に違いがあります。何故だろうと自分なりに考えておりました。

ものの本を読むと、整体関連の本には五十肩の原因がいろいろ書か

れていますが、私が最も納得できる解釈が書かれている本がありまし

た。その部分を引用させて頂きます。

「四十肩、五十肩といわれる、腕を上げるときに痛みが出る症状は、た

いがい多くの人が肩関節の問題と考えています。実際にあまりに古く

なると靱帯が肩関節に巻きついて固まってしまうのですが、これも本を

正せば腰と肩甲骨の硬直の連動といった問題があるのです。肩甲骨

がスムーズに動かなければ、腕は上がらないのです。肩関節が固着

したり、本当に肩関節に問題を抱える以前に、必ず肩甲骨は硬直を起

こしているのです。四十肩、五十肩の体と、脳卒中や心臓病の体とい

うものは、腰や肩甲骨の硬直の度合いが非常に似ており、背中が全

体的に硬くなっています。私は、むしろ、肩甲骨を硬直させ、腕を上

げない状況を作り、硬直が後頭部や心臓に入ることを防いでいる

のが四十肩、五十肩であると思うのです。ですから、四十肩、五十

肩は、良くなるのに時間がかかります。腰の弾力、背中の弾力という

ものが改善され、心臓や脳に硬直が入ってゆく危険性が薄れるに

したがって、腕は自然と動いてくるものなのです。単に肩関節のみ

に目をやって、肩に注射をしたり、シップをすれば痛みは薄れるかもし

れませんが、本当に自覚しなければならないことは、自分の体がそれ

ほどまでに硬直し、悪い状態にあるということなのです。」

                          宮川眞人著 「誰も書かなかった 整体学」

現在の私の中では非常に納得のいく文章に出会いました。


■肩こり(頸こり) 頭痛 血圧

この3つの症状は切り離せないので一緒に絡めての話になります。

ものの本で読んだ知識と今までの施術の経験から、自分の意見として

自分の中に確立されていることを書きます。きっとどこかで聴いたこと

があったり、本で読んだことがあったりすると思います。自分の中では

どこまでが本で読んだ知識で、どこまでが経験的に感じていることなの

か区別がつきませんが、結局臨床を経て経験したことは、多くの人が

同じような結論に達するように感じます。

脳は最も血液を必要とする臓器であり体全体の情報が集まり、その情

報によって体に指令を出しています。その一つに心臓のポンプ調節に

よる血圧の調節も含まれています。

・肩が凝って仕方がないご婦人が来られました。几帳面な方で毎日血

圧を計っておられる方で、肩・頸を緩めた翌日から血圧が下がり、その

まま続いているそうです。

・腕をまっすぐ上に上げて、バンザイをしても耳に腕がつかないような

男性の肩・頸を緩めてからは血圧が安定しているそうです。現在は3

週間に1回くらいの間隔で通っておられます。

以上の経験等により肩・頸を緩めれば血圧が下がったり安定したりす

ることを以下のように理解しています。脳には大量の血液が必要で

す。脳は心臓の心拍を調整して十分な血量が脳に届くように調節して

います。肩・頸が凝って硬くなると血流が悪くなり、脳に十分な血液が

届かない。脳はもっと血液が必要なため、脳に血液を送り込もうと心臓

のポンプを若干早くする。必然的に体の血圧は上がる。脳には血液が

必要だから血圧を上げて脳の血量を増やそうとするが、弱い血管にと

ってはよろしくない。もちろん脳の血流が不足すると頭痛が起こる。

肩・頸の凝りや堅さがじゃまをして血液が脳まで十分に届かない。肩・

頸を緩めてやるとスムーズに血液が脳に運ばれる。十分な血液が届く

脳はそれ以上血圧を上げるような指令はしなくなります。もちろん肩・

頸を緩めれば血圧が下がるのは、他の病気が無いということが前提と

なります。

肩こりの対処には自信があるのですが、どうしても改善できない肩こり

があります。その方は筋肉に張りがなく乾いた感じで、肩や頸の付け

根の深いところに硬いしこりがあるような方です。筋肉や背骨の椎間

板に水分が足りないように感じます。もしかしたらこのような方はコーヒ

ーがとてもお好きで、一日に何杯も飲まれる方かもしれません。回数を

重ねれば改善するのかもしれませんが、1回の施術で大きな改善が見

られない体です。残念ながら、1回の施術で大きく改善しないと後が続

かないのが現状です。このような方は今後研究の余地有りです。


坐骨神経痛

以下の症状で困っている方が多いので、どうしてもこれについては

書いておかないといけないと思い書くことにしました。

   お尻が痛い、しびれる
   お尻から太ももにかけて痛い、しびれる
   太ももの後ろが痛い、しびれる
   膝の後ろが痛い、しびれる
   ふくらはぎが痛い、しびれる
   足の先まで痛みが走る。


               その共通点は?


     坐骨神経痛の通り道で起こっているということです。

以上の訴えをする方はほぼ同じ原因から来ていることが多いように思います。

まず、坐骨神経は何処を通っているのでしょうか?

写真1(黒っぽい写真)を見てください。

写真1  「人体の不思議展」より抜粋

坐骨神経の始点は腰神経、仙骨神経から出発し、お尻の後ろに出て、

太ももを通り、ひざ裏を通りふくらはぎ、踵、足の指先へと延びる、体の中で

一番長くて太い神経です。この神経は筋肉の間を通って足先まで達していま

す。続いて写真2を見てください。


写真2  「クリニカルマッサージ」より抜粋

写真2の中央上部の黄色い物がお尻の筋肉の間から出ていますね。

これが坐骨神経です。坐骨神経がお尻の筋肉の間から出て、太ももへ

伸びていくのが分かると思います。このように筋肉の間を縫うように足

の指先まで神経が伸びています。病院へ行くとレントゲンを撮り、腰椎

や椎間板に異常が無ければ、異常なし。ヘルニアがあると、坐骨神経

痛の原因はこのヘルニアにあると推測します。

ヘルニアが無ければ特に異常はありませんから湿布と電気治療で、と

いうことになります。実際に腰椎にヘルニアがあって、そのヘルニアが

しびれや痛みの原因になる場合はヘルニアがある方の5%くらいだそ

うです。    残りの95%はヘルニア以外が原因です

それではその95%の原因とは何でしょう。

私達の民間療法ではヘルニア、お尻の筋肉、太ももの筋肉、ひざ裏、

踵、つまり坐骨神経が通っている筋肉の疲労具合(硬さ)によって原因

が何処なのかを割り出していきます。腰椎周辺の筋肉、お尻の筋肉

(大臀筋の下層部の梨状筋等)、太もも、膝周辺、踵周辺の筋肉を緩

めていきます。

その中でしびれや痛みが和らいだ場所が原因の一つと考えます。

今までの経験上、お尻周りの筋肉を徹底的に緩めると坐骨神経痛の

殆どが改善するということです。

お尻の筋肉は写真2のように何層にもなっています。特に下のほうに

ある(骨に近い、体の深いところにある)   筋肉(大殿筋の奥にある

梨状筋、上双子筋、下双子筋、大殿方形筋)を緩めるときは痛いかも

しれません。でも、これらの筋肉を緩めるときの痛みの後は症状がか

なり改善してることでしょう。